吹奏楽部で演奏活動をスタートしたみなさんへ!

仲間とともに音楽に向き合う時間はかけがえのない経験になります。
いっぱい練習して、まわりと音を合わせて、いまの自分たちにしかできない音楽の時間を楽しんでくださいね。

そんな吹奏楽部一年生のみなさんに知ってほしいこと。
上達のコツではありません。でもそれ以前のもっと大事なことです。

①楽器を大切に扱うこと
学校の楽器は、ずっと上の代の先輩たちから長く大切に使われてきたものばかり。その購入や修理の費用は、学校やみなさんの保護者の方が支払ってくれる部費などの予算でまかなわれています。
新しい楽器が欲しくてもすぐに買うことはできませんし、不注意によって壊れた楽器ではどんなに上手な人でも良い音・正しいピッチで吹けません。まずは自分の使う楽器を大切に扱いましょう。

②とにかく練習すること
スポーツも芸術もとにかく練習がたくさん必要です。そこをとばして上手くなる方法はありません。
じゃあ具体的にどんな練習が必要か?まずは顧問の先生や習っている先生に聞いてみましょう。
それぞれの楽器にとって重要な練習があります。
練習が嫌いな人もいるかもしれませんが、くり返しトライしてできないことができるようになるのは達成感がありとってもうれしいことです。
その練習をすることでどんなふうに演奏できるようになるのか、どんな自分になりたいのか、ゴールをイメージして取り組みましょう!

③音楽は人に聴いてもらうもの
演奏するのは好きだけど、誰かに聴かせるのは嫌だ・恥ずかしいという人がたまにいます。
でも音楽は基本的に自分のためだけに演奏するものではなく、人に聴いてもらうためのものです。
コンサートでもコンクールでも聴く人たちは、さあこれからどんな音楽が始まるのかと楽しみにしながら耳を傾けています。
もしあなたが消極的な気持ちで演奏したとして、聴く人に音楽の魅力は伝わるでしょうか?
上手くいかなかったらどうしようとか恥ずかしいとか、そんな気持ちはどこかにポイっと捨ててしまって、ただ一心に音楽を奏でましょう。

④自分と仲間を同じように大切にすること
部活は、限られた数年間いっしょに音楽ができる大切な仲間の集まりです。
良い音楽は信頼し合った良いチームから生まれます。
もし仲間が失敗したときにはなんて声をかけるといいでしょう?冷たい批判より温かいエールをおくりましょう!
そしてときには練習中きびしい言葉で指摘されることもあるかもしれませんが、きびしいこととと愛情がないことは別物です。
愛のあることばと態度で、仲間のこと、そして自分のことも大切にしましょう。

⑤実力をはるかに超える課題(曲)が与えられることもあること
吹奏楽部はコンクールという目標に向かって活動しているところがほとんど。
コンクールで上の大会に進み良い賞をもらうために、初心者のレベルをはるかに超える難しい曲を吹かなければならないこともよくあります。
そんなときも焦らずに、まずは自分の音をよく聴いて、自分がよりよい演奏をするための基礎練習を積み重ねること。その上でこの難しい曲はどうやったら吹けるかな?と考えましょう。
先を急いで土台のないまま難しい曲に取り組んでも、上手く吹けないばかりか、上達から遠のいてしまうことすらあります。
いま目の前の曲が吹けないから自分はダメなんだ…と思う必要はありません。ただ実力に合っていないだけ。
できることを(=今出せる範囲の一番良い音を)しっかり演奏して、吹奏楽部というチームに貢献しましょう。

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私自身は、小学校のブラスバンドで金管楽器に出会いました。小さなバンドでわいわい楽しく遊びながら練習し、コルネットやアルトホルンやユーフォニアムを吹きました。
中学校から吹奏楽部でホルンを始めて中3の夏に初の東北大会出場、そのまま好きな音楽ができる近所の高校に入り高3の夏に初の全国大会に出場しました。部活は吹奏楽でしたが中3からは市のジュニアオーケストラにも入っていました。
そんな吹奏楽畑の出身ですが、音楽に順位をつけるコンクールには中学生の頃から実はそこまで興味がなく、それよりも地域施設の演奏で目の前のお客様が笑ったり泣いたりと喜んでくれることや、大きいホールで沢山のお客様をあっと驚かせて笑顔にできる演奏会が大好きでした。

そんな音楽への愛を持ち続けたままのんびりとここまできた私から、これからを生きる吹奏楽っ子へおくるアドバイスです。
ぜひ周りの仲間や大切な人にも伝えてほしいです!